第1回 「技術」と「技能」
「技術」と「技能」、この二つの要素を表裏一体ながら、区別して考えるようになって以来30年になろうか。「技術」とは、その学んだ人に属するものではなく、客観的に存在するものである。一方「技能」とは、それを習得した人について回る。何年も修業をして体で覚えたものであり、余人に代えることは不可能である。
技術の進歩・変化を見て、技能がその実現に向け努力する。一方技術は、技能の状態を見て、更に進歩・変化する。技術と技能は相互に切磋琢磨しており、謂わば、スパイラルの関係にあると言えよう。